畑に会いに行こう|梅

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5月下旬から6月上旬、梅雨入りとともに旬を迎える「梅」。
今回は、CSA LOOPにご参加いただいている奈良山園へ青梅のつみとりに!
採れたての梅でシロップ作りをしてきました。
気持ちのいい風が吹く中、梅の木の下で過ごした時間を写真と共にお裾分けします。

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    Mana Hasegawa

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    Mana Hasegawa

そうだ、梅の木に会いに行こう。

5月下旬から6月上旬、スーパーや八百屋でも青梅が出回る季節。皆さんは”梅仕事”をしていますか?もしくはしたことがありますか?

東京で生まれ育った私は、梅干しこそ身近に感じるものの、梅の木や梅の実そのものを見ずに大人になりました。そんな人も多くいるのでは、と思います。そしてこれから増えてゆくのだろうな、と。

梅の木とご対面。青々とした梅の葉を揺らす清々しい風と木漏れ日が差す園内。

“梅仕事”とは、梅が旬の時期に梅干しや梅酒といった「保存食」を作ることです。この”梅仕事”は、日本の暮らしに季節行事として根付いてきました。

梅干しとして使う梅は、“完熟梅”といって黄色く熟した梅を使用します。一方、梅酒や梅シロップとして使う”青梅”は、まだ若くて固い状態で収穫します。限られた期間でしか収穫できない訳ですが、だからこそ毎年この季節を楽しみにしている人も多いのです。

枝にたわわに実る梅。

梅の収穫は、まるで宝探し

「梅の収穫してみたい!」「梅仕事してみたい!」そんな想いが【奈良山園】野崎さんご協力のもと、実現しました。CSA LOOPコンシェルジュの皆さまにもお声がけし、東久留米市の奈良山園へいざ、出発!

梅の収穫方法を野崎さんにレクチャーしていただく。

梅の収穫は毎年人気のようで、初日で手の届く高さの実はほぼ収穫済みに。手の届かない高い位置にある梅は、竹の棒で狙いを定めて落としていきます。初めは葉っぱと青い梅の実の見分けがつかなくて、なかなか見つけられないのですが、目が慣れると青梅が目に映るように!この「見つけた!」という感覚が、まるで宝探しのよう。大人も子どもに戻る瞬間。みんな時間を忘れて、青梅探しにすっかり夢中です!

目が慣れてくるまで、なかなか見つけられない。梅を探すと自然に顔が上を向きます。



狙いを定めて竹の棒でツンツン。梅の実を落とす。

虫を防ぐために地面に草を生やさないようにする果樹農家さんもいますが、奈良山園の果樹の下は草で覆われています。奈良山園では刈った草を地面に戻すことで、肥料分を果樹園に戻す”草生栽培”がされています。自然の循環を生かし、科学肥料や農薬に頼らず育った梅をいただきます。

採れたて青梅。毛じ(もうじ)というフワフワな産毛が生えている。

採れたての梅で”梅シロップ”を仕込む

今回は、収穫した梅を贅沢にその場で梅シロップへ。梅の木の下という絶好の場所をお借りしました。

梅は洗って、ヘタをとり水気をしっかりと拭いていきます。こうすることで、発酵やカビを抑えられます。ヘタは竹串や爪楊枝でポロッととれます。

仕込むには手間ひまがかかるけれど、その過程もまた豊かな時間に。

梅シロップには、氷砂糖を使うのがメジャー。他にも白砂糖やメープルシロップなどで漬けることもできますが、氷砂糖がもっとも純度が高く、クセがないとされています。今回は梅の重さと氷砂糖を1:1で仕込んでみることに。

何で漬けるか、梅との分量はどうするかで味や香りも変わります。毎年いろいろと試して、自分好みの配合を見つけるのも楽しそうですね。

梅と氷砂糖を積み重ねていく。数週間かけて、氷砂糖が梅のエキスと一緒にゆっくりと溶けていく。



完成は仕込んでから2〜3週間後。氷砂糖が溶け出すまで、くるくると回しながら完成を待ちます。

畑で土に触れる、よろこび。

梅シロップを仕込んだ後、野崎さんに畑を案内していただきました。CSA LOOPの拠点【ONIBUS COFFEE Jiyugaoka】で受け渡ししている野菜を育てている畑です。果樹園同様、自然の循環やバランスを考えて育てられた野菜たちが、のびのびと根を張っていました。

赤玉ねぎを収穫!ふくふくとまあるく、赤い皮も艶やか。



みんなで収穫した赤玉ねぎを片手に歩く後ろ姿。のどかで温かい。

畑にいくと、土や自然から元気をもらえる気がします。今後もCSA LOOPの農家さんをはじめ、旬のお野菜や果物と出会うべく畑に行ってきます!畑で見て感じたことを鮮度の良いうちにお届けしていきますので、お楽しみに。

奈良山園

住所:

東京都東久留米市柳窪