第3回共創会議を開催しました|消費者の視点から仕組みを考える 畑編

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CSA LOOPは、地域支援型農業と食循環を掛け合わせた新たな仕組みです。生産者と都市の消費者を結び様々な方と一緒にまち全体でひとつの循環をつくっていきます。
農家と消費者がCSAの年間契約をおこない、年間を通して地域の拠点で対面で野菜の受け渡しをします。農家、拠点、消費者というように、人とのつながりを生み、関わり合う人が多いことが特徴です。
そのなかで、関わる人たちの相互理解をしていく場として「共創会議」と題してワークショップをおこなっています。

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    Yuri Utsunomiya

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    Yuri Utsunomiya

CSA LOOPは、地域支援型農業と食循環を掛け合わせた新たな仕組みです。生産者と都市の消費者を結び様々な方と一緒にまち全体でひとつの循環をつくっていきます。

農家と消費者がCSAの年間契約をおこない、年間を通して地域の拠点で対面で野菜の受け渡しをします。農家、拠点、消費者というように、人とのつながりを生み、関わり合う人が多いことが特徴です。

そのなかで、関わる人たちの相互理解をしていく場として「共創会議」と題してワークショップをおこなっています。

第3回(2021/10/31)は「消費者の視点から考える 畑編」です。この仕組みのなかで消費者の目線から、場面ごとにどんなことが起こるかを考え、そして、どんな機能などがあれば、よりよい仕組みになっていくか議論を深めていきます。

図のように、CSA LOOPは、拠点をハブに、消費者と農家が直接のコミュニケーションをおこない野菜の受け渡しをおこなっていきます。その際に会員は、家庭で使いきれない堆肥を持参し農家へ預けることができます。受け渡された堆肥は適切な処理のうえ、栽培に活用されていきます。対面でのコミュニケーションだけでなく、オンライン上のチャットスペースでも会話をすることができるので、コミュニティでの横でのつながりも築いていくことができます。

畑に行くということ

CSA LOOPでは、農家ごとに実施頻度やレベル感の設定は異なりますが、畑での交流機会があります。都市部で暮らす消費者が実際に農家の畑に行き、五感すべてでその美味しさを感じていく機会です。そんな場面を思い浮かべながら、以下の意見などが挙がりました。

・交通手段は?送迎があると行きやすい…?
→農家さんに送迎をお願いするのは負担になるかも?
・行く人が拠点集合で待ち合わせて乗り合わせでいく
→会話が生まれる(行き:自己紹介など、帰り:畑での作業の感想、本音が聞ける)
・その会話の内容の変化やオフラインだからこそ話せる感想の共有が面白い
・持ち物
→何を持っていけばいいかわかりやすいと嬉しい
→どんな形状のものか長靴のレベル感をつかむのが難しい

やはり、行くまでの道のりはイメージがつきにくいところでした。ただ、とても素敵な意見もありました。行きと帰りで会話の内容が変わってくるということです。それは、車で乗り合わせて一緒にいくことで生まれるコミュニケーションでした。各自が電車で行くことでは出会えない率直な意見交換や、共感があることで、その日の実践を俯瞰してみていくことができるようです。

畑での作業をすること

次に、実際の作業について、意見を出してみました。

・どこまでやればいいか/やらなくていいことが明確だとやりやすい
・農家からすると作業内容が、楽しんでくれる内容なのかどうか気になる
・これなかったメンバーのために作業内容やポイントを共有できるといい
→コミュニティ内での情報の差やスキルの差を縮めていける

参加した人もそうでない人も、情報がシェアされるようなコミュニケーションの取り方ができたらという意見が印象的でした。参加できなかった人も、今回の作業内容や作業のコツなど、次回につながるような形でシェアができると、コミュニティ全体として、未来へバトンをつないでいけるということでした。

畑でのコミュニケーションをとる

ここまででてきた意見のうち、とくに不安に感じている部分に関しては、コミュニケーションをとることで、理解や歩み寄りをしていくことができる部分かもしれません。

・この場で出た懸念点や不安点、歩み寄りが必要な部分は総じて、当事者同士が事前に決めたり、調整したり、わからないことがあれば相談したり聞いてみたり、というような土壌/空気感が大事になりそう
→農家さん、メンバー、拠点でコミュニケーションをとっていくことで解決できそう
→農家さんのやり方も様々あるなかで、コミュニティごとのやり方を確立していけるといい

CSA LOOPに限らない話ですが、相手に過度な期待をしてしまったり、何かを求めてしまったりするのは、相手のことをよく理解していないからだと考えています。

それがもし、自由に円滑にコミュニケーションをとることができ、ひとつのまとまりのなかで各々の不安点を歩み寄りによって補い合うことができれば、もっと小さな単位で有機的な動きをしていくことができるのではないでしょうか。幸い、CSA LOOPは都度コミュニケーションが取れる状態にあります。モノのやりとりや人の動きを通して、様々な人との関わりを持ちながら仕組みは動いていきます。そんなときこそ、濃厚で適切なコミュニケーションが、コミュニティ内、個人間でも大事になってくるのだと考えています。

次回は、すこし立ち返って「CSAってなんだ?」という部分を深掘りしていければと思います。