マーケットってどんな場所?『BROOKLYN RIBBON FRIES』

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皆さんは、モノを買いに行く時はどこに行きますか?
近所のスーパーや商店街、もしくは仕事帰りにフラッと立ち寄るお店。はたまたオンラインショップでポチッと
ボタンを押せば、翌日には届く時代です。限られた日程と時間の中で、対面で販売する“マーケット”には一見、
不自由なことも多く見えます。それでもマーケットで販売する出店者さんには、きっとマーケットだからこその
エピソードや想いがあるはず。

今回は歌舞伎座朝市やあおいちマルシェにご出店いただいているBROOKLYN RIBBON FRIESの鈴木さんに
お聞きしました。

  • Photo:

    Mana Hasegawa

  • Text:

    Syoya Yamaguchi

本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、マーケットではどんな商品を販売していますか?

世界中のジンジャーエールを飲み歩いて作った、完全ハンドメイドのこだわりがつまったジンジャーシロップを販売しています。シナモン、クローブ、カルダモンなどのスパイスが入っているため、普通のジンジャーシロップと比べて免疫力も上げてくれたり、体を温めてくれたり、まるで漢方のような役割も果たしてくれます。飲み方は炭酸割りだけでなく、ミルク、紅茶、そしてお酒でも割って飲めます。1本で何通りもの飲み方で楽しめます。

こだわりのジンジャーシロップは、素材そのものの色。生ショウガの旨みとスパイスの香りが凝縮!

普段はどこで販売しているんですか?

現在は東京・駒沢に店舗を構えており、フライドポテト(リボンフライ)とジンジャーシロップの製造・販売をしています。元々のオーナーがニューヨークでシェフをやっており、日本でフライドポテトの専門店を出すことに。そこで「ポテトに合うものはなんだろう?」と考えた時に、大好きなジンジャーエールをポテトに合わせてみよう、と。するとジンジャーエールも大人気になりまして、そのシロップも販売するようになりフライドポテトとジンジャエールのお店になりました。ちなみに会社の社訓は『ポテトとジンジャーで世界を平和にする』なんですよ。

特徴的な社訓ですね!そうすると、店舗もありながらマーケットに出店するようになったのには、どういう経緯があったのでしょうか?

BROOKLYN RIBBON FRIESが駒沢に店舗を持つ前は、表参道のコミュニティースペースで販売していたんです。そこでの出会いがきっかけで青山ファーマーズマーケットに出店するようになりました。青山ファーマーズマーケットで平間さん(株式会社4Nature代表)と出会い、歌舞伎座朝市が始まるタイミングでお話しをいただいて。(以前、平間は青山ファーマーズマーケットの運営に携わっていたため)4Natureのマーケット初出店は、歌舞伎座朝市だったと思います。

色々な場所やマーケットで販売されていますが、販売方法や場所を変える理由はどんなところにありますか?

場所や会場が違えば、立ち寄ってくださるお客さんが大きく変わります。歌舞伎座朝市は、平日に開催しているため、近くで働いている人が休憩時間に立ち寄ってくれることがありますね。こういったマルシェやマーケットは土日や祝日開催が多いのですが、歌舞伎座朝市のように平日開催だと、いつもとは違ったお客さんに出会えます。出店場所や販売方法を変えることで、より幅広いお客さんにジンジャーシロップを知ってもらえるようになります。

ジンジャーシロップの横には、15種類ものシロップの割り方を記載した案内が並ぶ。

マーケットのいいところはどんなところだと思いますか?

商品の良さを100%知ってもらうには、対面が一番です。なによりマーケットは対面で感動体験を生み出せる場だと思います。マーケットに来るお客さんは、お買い物を“楽しもう”という目的意識を持って来てくれる方が多いですね。駅ビルや百貨店などへ出店すると、素通りされることも多いのですが、マーケットでは試飲も積極的にしてくれるし、コミュニケーションが活発に取れるのでやりがいをより感じます。

鈴木さんは、いつもマーケットのお客さんと楽しそうにお話しされている印象があります。お客さんとの関わり方で大切にしていることはありますか?

一番大切にしていることは、商品を売ることではなくお客さんを感動させること。自分自身がジンジャーシロップを飲んだ時の感動をそのままお客さんにも伝えたい、という思いで接客しています。よく、映画や漫画といった自分が好きなものを人におすすめすることってありますよね?あの感覚に近いです。買って欲しいと思って接客しているというより、自分が好きなものをすすめているという感覚。でも、せっかく買っていただけるなら楽しんでもらいたいという思いがあるので、試飲してもらう際には色々と工夫をしています。

「美味しいジンジャーエール、飲んでみない?」鈴木さんの呼びかけでブースの前は賑やかに。

どんな工夫をしているのですか?

基本的に話している内容はどのお客さんに対しても変わらないのですが、起承転結を作っています。最初は掴み。そして試飲を楽しんでもらいながら、最後は大どんでん返しのオチで決めるという流れです。これはトークだけの話ではなく、試飲で出す割り方の順番も同じです。一時期は8種類の割り方で試飲を出していましたが、試行錯誤の結果、今は5種類がベストだと思っています。あとは、お客さんによって話すスピードや間の作り方などにも気をつけていますね。「ここで笑いが取れるな」みたいな。まるで漫談です(笑)

牛乳や紅茶、お酒など…割る飲み物で味は変幻自在!試飲の順番にも“楽しませたい”という想いが詰まっている。



「冷蔵庫とか、見えるところに貼っておいてね」買った後も色々楽しめるように、割り方をまとめた表も渡している。

マーケットでもっとしたいこと、チャレンジしたいことはありますか?

新しいことにチャレンジするというよりは、今のスタイルを貫きたいと思っています。マーケットの良さはやはり、対面でお客さんに商品の良さを伝えられて、感動体験を生み出せることにあると思います。これまでのマーケットで培ってきたスキルを磨いて、より多くの人をジンジャーシロップで感動させたいですね。

最後に、これからのマーケットで求められることはなんだと思いますか?

オンラインで何でも買える便利な時代でもマーケットで買い物をする人がいるのは、そこに“体験”を求めてるからだと思います。私たちもECサイトで販売をしていますが、ジンジャーシロップを炭酸で割るか牛乳で割るかくらいで、いろんな割り方を試したことがないお客さんも多いと思います。それは、実際に割って飲んだ時にどんな味になるかを“体験していない”からだと思います。でも、マーケットで購入してくれるお客さんは、買う前に試飲して、色々な割り方で飲む美味しさを知っているので、家に帰ってからも色々な味で楽しんでもらえます。マーケットは、便利さよりもお客さんにそういう“体験”を提供できる場として、これからも在り続けるべきだと思いますね。

鈴木さんの活気のあるトークと笑顔でみんな元気に。ぜひ、マーケットやマルシェで体験してもらいたい。

鈴木さんのトークと接客には、お客さんを“感動させたい”という思いとジンジャーシロップへの愛が詰まっています。まるでショーを見ているかのような感覚になれる鈴木さんの接客、ぜひ一度皆さんにも“体験”して欲しいと思います。

プロフィール
BROOKLYN RIBBON FRIES
「ポテトとジンジャーで世界を平和にする」を社訓に東京・駒沢に店舗を構えている。看板メニューはリボンフライと自家製のジンジャエール。もちろん、他のメニューも一切妥協なし。ランチからディナーまで、いつ来ても身も心も満足できるメニューとドリンクが揃っている。
公式サイト
Instagram

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