お野菜手帳「カリーノケール」

feature

今目の前にある野菜、さて、葉っぱを食べているのか根っこを食べているのか?
はたまた茎?実?私たちは毎日食べている野菜について、
どれだけのことを知っているだろう?
本当はちゃんと知らない野菜のことを調べてみた。
この『お野菜手帳』を読んだら、あなたも野菜についてちょっと詳しくなれるはず。

  • Photo:

    Mana Hasegawa

  • Text:

    Mana Hasegawa

#020 「カリーノケール」



「なんとなく体に良さそう!」そんなイメージの強い、ケール。青汁やグリーンスムージーの材料でお馴染みの野菜だ。実は、カリフラワーやキャベツ、芽キャベツ、ブロッコリーもケールの仲間なのはご存知だろうか?全て、同じ“ヤセイカンラン”という原種から品種改良された野菜だったのだ!

なかでも野性の原種に近いケールは、栄養価も高く、たくましい。ケールと人との出会いは紀元前にまで遡る。古代ギリシアでは、薬用・食用として栽培されていたとのこと。ヨーロッパに伝わったのは6世紀頃で、暑さにも寒さにも強いケールは、中世ヨーロッパで一般的な緑黄色野菜として重宝された。

日本には江戸時代に伝わったとされるが、日本人の好みには合わず…。食用ではなく、観賞用として品種改良されたのが『葉牡丹(ハボタン)』である。1990年の青汁ブーム、近年のアメリカからのケールブームを経て、日本でも苦味の少なく食べやすい料理用ケールが増えている。

ケールについて調べてみる。

分類:アブラナ科>アブラナ属>ヤセイカンラン種
英名:Kale(ケール)
別名:緑葉甘藍(リョクヨウカンラン)、羽衣甘藍(ハゴロモカンラン)



ケールには種類があり、大きく分けると3種類に分けられる。

①カーリーケール
…葉に切れ込みがあり、細かく縮れたりカールしたりしている。苦味は少ない

②コラードケール
…葉は大きく丸みがあり、縮みはない。水分が多く、スムージーや青汁に良く使われる

③ベビーケール
…ケールの新芽を摘んだもの。葉はやわらかく、苦味も少ないためサラダ向き


青汁に使われることの多いケールは、なんとなく苦い印象が強い。そんな人こそ、冬のケールに挑戦してみて欲しい!寒い冬に成長するケールは、葉が凍らないようにグッと糖度をあげる。つまり、甘みの強いケールを味わえる!

保存方法

新鮮なケールは新鮮なうちに。鮮度が落ちると、苦味が強くなる原因に。食べきれない場合は、湿らせたキッチンペーパーなどで包み、保存袋にいれて冷蔵庫へ。もしくは、カットして冷凍保存もおすすめ!スープや炒めもの、そのままミキサーに投入してスムージーにも使える。

おいしい食べ方

生食で食べる場合は、サラダやスムージー、青汁がおすすめ!サラダとして食べる場合は、硬い茎の部分を取り除いた方が食べやすい。残った茎も、カットして炒めものや和え物として美味しくいただける。
意外にケールは肉とも相性◎!洋風の煮込み料理や中華風炒め、スープでも大活躍。しっかり煮込むことで、ケール独特の苦味やクセもマイルドになって食べやすくなる。お味噌汁や焼きそばの具としても重宝する。

今回購入した楽菜ファームでは、みさきキャベツやニンジンと一緒にケールでトマト煮をつくり、翌日にご飯にかけて2度楽しんでいるそう!

楽菜ファームのカーリーケール。くるんとフリフリしたフリルが愛らしい



illustration:Mana Hasegawa