お野菜手帳「ズッキーニ(ロングデニース)」

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今目の前にある野菜、さて、葉っぱを食べているのか根っこを食べているのか?
はたまた茎?実?私たちは毎日食べている野菜について、どれだけのことを知っているだろう?
本当はちゃんと知らない野菜のことを調べてみた。
取り上げる野菜は、CSA LOOPで受け取った越渕農園の野菜の中から毎月ピックアップ。
この『お野菜手帳』を読んだら、あなたも野菜についてちょっと詳しくなれるはず。

  • Text:

    Mana Hasegawa

#007 「ズッキーニ(ロングデニース)」

雨が止んだり降ったりの野菜受け取り日。CSA LOOPの拠点の一つ、越渕農園のメンバーの中には、韓国人の方がいる。「韓国人は、雨の日はチヂミが食べたくなる。今日はズッキーニでチヂミを作る!」と仰っていて、へえーが止まらなかった。

本場の韓国では、チヂミに『エホバク』という韓国かぼちゃを使用するのが主流で、韓国料理に欠かせない定番の野菜。この『エホバク』は、ズッキーニに似ている。

調べてみると、韓国ドラマのワンシーンでも使われるほど、韓国人は雨の日にチヂミが食べたくなる人が多いらしい(チヂミのお供はマッコリ)。チヂミを美味しく作るコツは、油を使ってカリッと焼くこと。この調理の際に、雨の音と焼く音が似ていることから“激しい雨の音がするように”と比喩で教えることもあるとか。国民性なのか、「雨の日はチヂミでしょ!」という感覚を共通して持っているというのが、また面白い!

ズッキーニについて調べてみる。

分類:ウリ科>カボチャ属>ペポカボチャ種
英名:zucchini(ズッキーニ)、courgette(コウジェット)
別名:別名:つるなしカボチャ、pepino(ペピーノ)

ズッキーニの見た目はきゅうりのよう。しかし「ペポかぼちゃ」に分類されるカボチャの仲間である。北アメリカ南部からメキシコ地域が原産で、日本に入ってきたのは戦後あたり。最近では、初夏からスーパーなどでも見かけるように。一般的なキュウリのように緑で細長いもの以外に、まん丸やトランペットのような形、UFOのような形をした品種もあり、色と形のバリエーションが意外にも豊富!

ズッキーニを畑でみると、葉っぱの隙間からこんな造形を生み出すことが信じられない!という気持ちになる。毎度、感動してしまう。

栽培期間

6/11に受け取った「ズッキーニ(ロングデニース)」の種まきは、3/6。蔓の伸び方や実のつき方は、「バターナッツ」に似ているとか。さすが、カボチャの仲間なだけある。熟した実は、バターナッツやカボチャと同じように料理で使えるため、若い時はズッキーニとして、大きく熟したらカボチャとして食べられる。つまり2WAY野菜!?

保存方法

ズッキーニは水分が抜けると味が落ちる。乾燥が大敵!冷蔵保存する場合は、キッチンペーパーに包んで、ポリ袋などに入れて野菜室で保存。保存期間は大体7〜10日ほど。

冷蔵保存する場合は、食べやすいように輪切りや細切りにしてから冷凍用の保存袋などへ。水分が多いので、重ならないように並べておくのがポイント!目安は1ヶ月以内。

美味しい食べ方

クセがなく淡白な味わいから、ナスのようにさまざまな料理に活躍する。南仏料理のラタトゥイユが有名だが、煮込んでカレーやスープに入れても美味しい。揚げてフライにしても、焼いてソテーにしても美味しい。味噌汁の具にも◎で、かなり万能野菜。

加熱調理のイメージが強いが、薄切りにして生のままでも食べられる。浅漬けやピクルスも美味しそう。ちなみに、ズッキーニの花も食べられる。花にチーズなどを詰めて揚げるフリッターなども人気。

何よりも、ズッキーニを使ってチヂミを作って食べてみたい。本場の韓国を見習って「雨の日は、チヂミだよね」なんて言いながら。




illustration:Mana Hasegawa

越渕農園

住所:

千葉県柏市