末永いお付き合い|『ONIBUS COFFEE』坂尾篤史さん

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壊れても修理に出してまた使う
無くしてしまったら代用が効かない
実用性や機能性が二の次になってしまう
たとえ使えなくなったとしても手放せない

そんな私たちの中に込み上げる、愛着。
何かを愛おしく思う気持ち
大切にする気持ち、大事にしたい。

自身が“愛着”のあるものについてお話をお聞きします。
今回は『ONIBUS COFFEE』の坂尾さんのところへ。

  • Text:

    Mana Hasegawa

プロフィール
ONIBUS COFFEE|坂尾篤史さん
バックパックで訪れたオーストラリアでカフェ、コーヒーに魅了され、帰国後はコーヒーの修行を始める。2012年1月に独立し、世田谷区奥沢に『ONIBUS COFFEE』をオープン。2023年11月現在、系列店ABOUT LIFE COFFEE BREWERS含む、都内6店舗、栃木1店舗、海外3店舗(ベトナム・タイ・台湾)を経営。スペシャルティコーヒーの自家焙煎、飲食店などへの卸売、開業支援などを行う。

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作業場で見つけた頭に、自分で柄をつけた『トンカチ』

「あんまり、物に愛着ってないんです。自転車や時計、FREITAGのカバン…いろいろ頭には浮かんだけれど、これ!という物が見つからなかった」と仰る坂尾さん。しかし、この取材の日、玄関から出かける時にふっと目に入ったのが『トンカチ』だった。

「昔、大工をしていたんです。親父が大工だったから、一緒にやっていて。そこで、トンカチの頭を拾ったんです。元々頭が外れるようになっていて、柄を交換して永く使っていくような道具なんですよね。だから、自分で頭を磨いて柄をつけてから、ずっと使っています」

23、24歳頃から使い続けているトンカチ。手を握る柄の部分の木材によっても、使いやすさが変わる。昔の人はよく“カマツカ”という木を使っていたそう。

トンカチは、頭の両端が尖っておらず平らな槌(つち)の一種。のみや釘を叩く際に使い、昔から建設現場などで活用されてきた工具だ。

最近も家の玄関の床を張り替えるなど、プライベートでもDIYを楽しんでいる坂尾さん。実は取材に伺った、ONIBUS COFFEE八雲店もスタッフと一緒にDIYでつくりあげている。
新しい店舗、新しい取り組み。常に現状維持ではなく動き続ける坂尾さん。そこには、「ないものを自分でつくりあげるワクワク」があるのかもしれない。これからも坂尾さんのそばにはコーヒー。そして、手にはトンカチが握られていることだろう。




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