末永いお付き合い|『青果ミコト屋』鈴木鉄平さん

feature

壊れても修理に出してまた使う
無くしてしまったら代用が効かない
実用性や機能性が二の次になってしまう
たとえ使えなくなったとしても手放せない

そんな私たちの中に込み上げる、愛着。
何かを愛おしく思う気持ち
大切にする気持ち、大事にしたい。

自身が“愛着”のあるものについてお話をお聞きします。
今回は『青果ミコト屋』鉄平さんのところへ。

  • Photo:

    Mana Hasegawa

  • Text:

    Mana Hasegawa

プロフィール
青果ミコト屋|鈴木鉄平さん
鈴木鉄平さんと山代徹さんの同級生コンビが2010年にはじめた、『青果ミコト屋』。旅先で食べた“小さなリンゴ”をきっかけに「ほんとうのおいしいってなんだろう?」を考えるようになる。『青果ミコト屋』の立ち上げ以降は、店舗を持たずに全国を旅しながら野菜を届ける八百屋に。創業10周年を機に神奈川県青葉台で『Micotoya House』を構え、野菜に農家の人柄、ストーリーをのせて食卓に届けている。

HP
Instagram:@micotoya@kiki_natural_icecream

実はリバーシブル!オーダーメイドの『エプロン』

リペアもしながら10年間使い続けているエプロン。使い込んだ生地は、汚れや油をよく弾くように。



「この“エプロン”は、葉山にいる友人にオーダーメイドでつくってもらったんです。生地も一緒に選びに行ったんですよ」そう言って、“愛着のあるエプロン”姿を見せてくれた。10年もの永い時間をともに過ごしたエプロンは、鉄平さんの体にすっと馴染んでいる。

「最近は減ったけど、前までは八百屋としてだけではなくて『パッタイ』をイベントでふるまうことも多かったんだ。八百屋だけでは、どうしても売上的に厳しいこともあって。だから、このエプロンは元々パッタイ用にオーダーメイドでつくってもらったんだよね」

鉄平さんのエプロンをよく見ると、いろいろなところにポケットが隠れていたり、取り外したりできるようになっていることに気がつく。汚れやすい仕事だからといって、たくさん洗うと生地も傷んでしまう。なので一番汚れる部分は取り外せる仕様に。部分的に手入れができるように最初からデザインされている、なんともグッドデザインなエプロン!

実は裏っ返すとボーダー柄が現れる、リバーシブルのエプロン!



「実はパッタイで使う鉄板は、今でもレンタル。今更買うのもなんか悔しいのね。俺の中のプライドとして、『俺はパッタイ屋じゃない』っていうのがある。だから、このエプロンもパッタイ用でつくったけど、実はリバーシブルなの!野菜を売るときは、こっちを表にしてやろうって」

鉄平さんの“愛着”のあるモノは、鉄平さんの遊び心と想いが反映されたリバーシブルの“エプロン”だった。最後に鉄平さんへ、モノの選び方についても質問を。そこには、普段から野菜に込められた農家さんの想いやストーリーを伝えている、鉄平さんらしい回答が聞けた。

「やっぱり想いの詰まっているモノ。つくり手の想いが詰まっていれば詰まっているほど、俺はすごく好き。普段身につけている帽子も眼鏡も、全部オーダーメイド。色や形が自分の好みで、付け心地が良いのはもちろんなのだけど。ワンシーズンで買い替えるんじゃなくて、つくり手のこだわりが詰まったものを大切に使い続ける方が、気持ちがいいんだよね」



青果ミコト屋/Micotoya House
KIKI NATURAL ICECREAM
HP
Instagram:@micotoya@kiki_natural_icecream



関連記事
あの人の根っこ|『青果ミコト屋』鈴木鉄平さん