保存食のすゝめ|“ご縁”でつくる『夏野菜のピクルス』

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「保存食」には、食材を美味しく食べる知恵や工夫が詰まっています。
料理を楽しむことは、季節や旬を楽しむこと。無駄なく美味しく食べること、食べられるように工夫することは、
豊かな食卓に繋がるのではないかと思うのです。
ピクルスのすっぱさが体に沁みる、夏本番!
カラフルで瑞々しい野菜の多い”夏野菜”をたっぷり詰めた『夏野菜のピクルス』を一緒につくりませんか?

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    Mana Hasegawa

『ピクルス』ってそもそもどんな保存食?

皆さんは『ピクルス』と聞いて、何をイメージしますか?なじみ深いものだと、ハンバーガーに入っている、『きゅうりのピクルス』などでしょうか?日本では『ピクルス』と聞くと、きゅうりを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、海外では野菜だけではなく、お肉や魚の『ピクルス』もつくられているのです。

『ピクルス』とは、お酢と香辛料で食材を漬けた保存食のことです。日本では漬物の方が身近に感じますが、漬物はさまざまな食材を食塩、酢、酒粕などで漬けたものを指します。漬物>ピクルス(酢漬け)と考えると、分かりやすいかもしれませんね。

今回は『ピクルス』つくりに欠かせない、『お酢』の力を生かして、夏野菜を美味しく楽しめたらと思います!

『お酢』について知る

醤油や味噌と並ぶ、日本食に欠かせない『お酢』。しかし、『お酢』ってどうやって出来るのか知っている人は、意外と少ないのではないでしょうか?知っているようで、知らなかった『お酢』の世界をのぞいてみましょう!

お酢』ってどうやってつくるの?

『お酢』のつくり方をざっくりと説明すると、酒を酢酸菌で発酵させてつくるのが『お酢』です。酢酸菌とは、アルコールを酢酸に変える菌の総称で、『お酢』には欠かせない菌です。酢酸菌は、梅・ぶどうなどの果実、花やはちみつなどに存在しています。

『お酢』の種類

『お酢』には、米酢、穀物酢、黒酢、果実酢、などたくさんの種類があります。それらは、日本農林規格(JAS)により分類されています。

世界にもたくさんの『お酢』があり、『お酢』とお酒には、強い繋がりがあります。例えば、ワインの豊富なヨーロッパでは『ワインビネガー』が有名だったり、ビールをよく飲むイギリスでは『モルドビネガー』があったりします。

『お酢』のすごいパワー

『お酢』が料理で大活躍するのは、そのすっぱさだけではありません。原料に含まれる糖分が発酵・熟成して生まれる“甘み”、アミノ酸が生み出す“うまみ”が加わった、豊かな風味が特徴です。『お酢』の代表的なすごいパワーを知って、毎日の料理にもぜひご活用ください!

1.殺菌効果で保存力UP!
酢の主成分である酢酸には、強い殺菌力があります。なんと食中毒菌が30分で死滅するほどの力!冷蔵庫がなかった時代は、ご飯を日持ちさせるために『お酢』を入れて炊いていたそうです。ただし、『お酢』を出汁や水で薄めるとその分、効果も薄まります。

2.減塩に役立つ
『お酢』の酸味には、味覚を敏感にする効果があります。料理に『お酢』を加えることで、素材の“うまみ”や“甘み”をより感じられるようになります。塩や醤油の量を減らしても『お酢』の力で塩味が引き立ち、味の物足りなさを軽減できます。

3.食材をやわらかくする
『お酢』には、カルシウムを分解する作用があります。小魚を『お酢』で煮たり漬けたりすると、骨までやわらかくできます。魚だけではなく、肉のかたまりを柔らかくすることもできます。

『ピクルス』の作り方

『ピクルス』に向いている『お酢』は、米酢!米の“うまみ”のおかげで、酸味はまろやかで、甘みもあります。米酢だけでも十分に美味しいピクルス液がつくれますが、アクセントにりんごビネガーなどを少し足すとさらに“コク”が増しますよ!他にも、米酢ではなくて白ワインビネガーでもつくれます。

ピクルス』におすすめの食材

『ピクルス』でパッと思い浮かぶ「きゅうり」の他にも、おすすめの食材がたくさんあります。野菜だとセロリ、にんじん、ズッキーニ、カリフラワー、パプリカ、ラディッシュ、ミニトマトなどなど。夏野菜だと、きゅうり、オクラ、ナス、ゴーヤ、ミョウガもおすすめです!バジルを3〜4枚入れると、爽やかな風味がアクセントになります。

ベランダで育てたミニトマト。少し酸っぱかったのですが、ピクルスにしたらなぜか甘くなってビックリ!『お酢』の力、恐るべし。野菜だけではなく、身近な食材だと「お豆腐」をピクルスにしてみるのもおすすめです!お酒のおつまみにもなりますよ。

家で仕込んだ『ピクルス』の保存期間は、冷蔵庫で約1〜2週間を目安に食べ切りましょう。そのまま食べても美味しいですが、刻んでタルタルソースやポテトサラダに混ぜたり、酢豚や酸味と辛味のある酸辣湯(サンラータン)にいれたり、とアレンジしても楽しめますよ!


参考
発酵のきほん|酢酸菌とは
京都のお酢屋のお酢レシピ/飯尾さとみ・飯尾淳子
感動のお酢レシピ/主婦の友社

『夏野菜のピクルス』つくり、一緒にしてみませんか?

『夏野菜のピクルス』つくりワークショップを開催します!
今回のワークショップでは、会場となるマーケットに出展している農家さんの野菜の中から、参加者の皆さんで漬けたい野菜を選んでいただき、シェア!

その日ある野菜、その日出会った人との“ご縁”で、出来上がりが変わります。新鮮な野菜をつくっている農家さんから、直接おすすめを聞きながら、その日限りの『夏野菜のピクルス』つくりを一緒に楽しみませんか?

【開催日時】
・8/13 (日)
14:30~15:30 (〜5名)
※事前予約制・各回先着順

【料金】
参加費:1,000円(税込)

【持ち物】
・320ml保存便のお持ち帰り用の袋
・野菜の持ち帰り用保存袋
※ 余った野菜もシェアして、お持ち帰りいただけます。保存袋などをご用意ください

【場所】
COMMON FIELD たまプラーザ(COMMON FIELD MARCHE内)
住所:神奈川県横浜市青葉区美しが丘1丁目7−7 東急百貨店たまプラーザ店 3F

8/13 ワークショップ詳細・予約はこちら