イベントレポート|「援農をもっと身近に!」オンラインミートアップ開催。

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私たち4Natureは、CSA LOOPという農と人を繋げる仕組みを通して、野菜とコンポストを用いた資源循環やコミュニケーションのツールを提供しています。今回は援農の新しい仕組みづくりを考える仲間を募集するオンラインミートアップを開催。その様子をお届けします。

  • Photo:

    4Nature

  • Text:

    Chieko Kamitonda

日本の食料自給率の低下や企業による食の安全に関する問題が広がる中、私たちは、農家が抱えるリスクに注目し、消費者と共に「リスクシェア」を行うことで、よりバランスの取れた社会の実現を目指しています。今回、農家のリアルな声を直接聞きながら、新しい援農の仕組みを共に考える仲間を募集するオンラインミートアップを開催し、12名の方にご参加いただきました。

事前に行ったアンケートでいただいた

・援農にはどんなスキルが必要?
・どんな活動をするの?
・初心者でも大丈夫?

などのご質問にもお答えしていきます!

特別ゲスト

マーフィーズファーム 篠塚政嗣(note / Twitter / Instagram)
野菜づくりのスタンスは、野菜たちを見守る”ベジタブルシッター”。
必要なときにそっと手を添えるくらいの気持ちで、草や虫、土や自然に任せる、極力人の手を必要としない野菜作りを目指している。幼稚園の頃の夢は絵描きさん。今も絵描きで、ボードゲームが好き。一押しのボードゲームは“アルゴ

武市愛夢
東京ドーム・文の都として有名な東京都文京区生まれの20歳。東京農業大学国際食農学科部3年。「生産~流通~消費」といった農学全般を学ぶ。学部1年生の秋より、実際の農業現場から知識や技術を学びたい気持ちが募り、学友5名と援農団体を結成。主な活動として東京都内の農家へ援農ボランティアを実施。現在までに10件以上の農家を訪問している

何で農業?

私たちはCSA LOOPという活動を通して、生産者と消費者をつなげる取り組みを実施してきました。CSA LOOPでは生産者が抱える孤独になりやすい環境や異常気象による不作など様々なリスクをシェアすることで「バランスが取れた優しい世の中に」というビジョンを掲げています。
でも、まだまだ生産者と消費者には距離がある。その距離を近づけるための手段として援農が有効であると考えました。

「援農してみたいけど何から始めたらいいかわからない」という消費者の声、「忙しい時に継続的に手伝いにきてくれる人がいたら助かる!」という生産者の声、両者のニーズを満たす新しい援農の仕組みをつくりたい。せっかく作るんだったら、実際に使う人の声を聞きながら作っていこうよ!というのが今回の取り組みです。

どんなことを目指しているの?

私たちは、援農を「文化」にしたいと考えています。将来的には、全国に小さなコミュニティが数多く存在し、農家と消費者が自然に助け合える関係性が築かれる社会を描いています。

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篠塚さんのお話(農家目線)

今回は農家の声として、マーフィーズファームの篠塚さんをお迎えし、最近の農業のリアルや援農に関して率直なご意見をお聞きしました。

農業が自分ごと化される

援農に参加することで、農業に関連することが「自分ごと化」されます。それは普段の食事もそうですし、台風が来た時も、自分に直接的な影響がなくても「あそこの農家さん大丈夫かな?」とか思い出す。互いを思い合う気持ちが、自立分散の社会に近づけてくれるのかもしれませんね。
農家の中には、農家が恥ずかしいと思っている方も多くいます。援農に来てもらうことで、実は多くの人が農業に興味を持っているということに気づき、自分たちがやっていることの素晴らしさや価値を感じ自信に繋がるとも考えています。

対等な立場だからこそできる意見交換

農家は狭い世界です。農家にとって当たり前のことでも外から見たら驚くことがあったりします。アルバイトだと中々言えないことも、援農という対等な立場だからこそ、意見交換が出来たら嬉しいなと思います。

農業は100の仕事があるからこそ、出来ることはきっとある

農家の仕事は多岐にわたり、農作業だけでなくさまざまな作業があります。だからこそ、誰でも得意なことを活かして援農に参加できるのです。
例えば、初めて援農に来てくれた方に草取りをお願いしたら、びっくりするくらいのスピードで終わらせていたこともありました。農家さんによって求めていることや、やり方は変わってくるので、コミュニケーションをとりながら自分に出来ることを見つけていってほしいです。

武市さんのお話(参加者目線)

援農を始めたきっかけ

大学の授業である女性農家さんの話を聞いたことがきっかけでした。内容がとても面白くて、大学の友達とその農家さんの元へ行きました。
それまでは、都会で生まれ育ち畑に行く機会がなかったので、すごいカルチャーショックを受けました。「畑ってこんなふかふかなんだ!」とか「農家さんのお話しってこんな面白いんだ!」とか、更には農作業もできることに魅力を感じました。

続ける内に日常に欠かせない存在に

最初は農作業だけお手伝いして終わりなんですけど、だんだん自分の暮らしの中に援農がないとむずがゆく感じるようになっていきました(笑)月に1回、2回だけじゃ足りなくてどんどん行きたくなりました。みなさんも始めたらそうなると思います(笑)
農家さんや仲間と活動を共にする内に、そこがサードプレイスになっていくんです。

一つの野菜がもつストーリー

スーパーに並ぶ野菜一つとっても、届くまでのストーリーが分かるようになりますし、そのストーリーがわかると、4Natureさんがやっている『CSA LOOP』のように持続的な社会を作っていくような食生活に変わっていくのかなと思います。

援農の扉は開いている

何でも物事を始める時、最初はちょっと怖いなって思うかもしれませんが、援農は全然そんなことはないです。これははっきり言えます。一緒に農作業をやりたいって思ってくださっています。
だから、スキルとかなくても自分のできることから挑戦してほしいなと思います。

参加者の声

当日ご参加いただいた方からはこんな声をいただきました。

「実際作っている方とか作る過程とかを知る機会があまりないと思うので、そういう話を実際農家さんから直接聞けるっていうのは、すごく良い機会だなと思いました。農作業をやってみたいって気持ちがありながらも、スキルとかなくて大丈夫かなって不安もあったんですが、まずは自分のできることから始めてみたいなと思いました。」

「農作業だけじゃなくて、WEBとか企画を作るってところで力を発揮できるっていう話があったんで、楽しそう!やってみたい!と思いました」

「みんなに援農に行ってもらうにはどうしたらいいんだろうということを、仕組みづくりから考えられるのが楽しみです!」

今回のオンラインミートアップを通して、7人の方と一緒に活動していくことになりました!これから援農の募集なども始まりますので、もしご興味のある方は是非ご参加ください♩

CSA LOOPという営み
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